

手すき和紙は、春から夏にかけて育った楮を秋に収穫し、冬の厳しい寒さの中で
漉き上げられます。自然の移ろいとともに生まれる和紙。その一枚一枚に刻まれ
た時間と営みに、風景を描くことで、新たな表現を試みました。描かれる四季と
和紙が生まれる一年。異なる営みでありながら、互いに響き合い、一つの作品と
して
結実しています。本展では、美濃手すき和紙職人「幸草紙工房 加納 武 様」
作の手すき和紙を、
作品の支持体として使用させていただいております。
長い
歳月の中で培われた確かな技術と、丹念な手仕事によって生み出される和紙に、
深い敬意と感謝を込めています。素材としての和紙が持つ美しさと、そこに描か
れる
風景表現。
その双方が織りなすことで生まれる世界をご覧いただけました
ら幸いです。
野田亮平